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投稿日:2021/08/20

共有する価値観について話す会(第一回:時間)

アカデメイアのことを世間の人にもっと知ってもらおうとはじめた社員ブログ。書く内容には縛りを設けず、各々が書きたいこと(≒書いていて楽しいこと)を書けばいいといった方針で進めているものの、書いていて楽しいというのは膨大なエネルギーを吸い取られることと紙一重。楽しいけれども毎回エネルギーを持っていかれるのはやだなぁ…なんて考えていたところ、ふとメンバー同士で勝手に話した内容がコンテンツになればいいんじゃないか?とひらめいた。

そこで試みとしてZoomで話した内容を録音したものを、youtubeの字幕機能で文字起こしをしてみたのだが、あまりに精度が低く読んでいるだけで頭がクラクラしてきたので断念。続いてGoogleドキュメントの音声入力機能を用いてドキュメント化することを試みたのが今回である。

※音声ファイルを用いて音声入力をするには、サウンドの設定を開く>サウンドデバイスを管理する>入力デバイス>Stereo Mix(もしくはステレオミキサー)を選択するというちょっとしたおまじないを行う必要がある。

いざやってみると、話者の分類ができないとか発話の間が認識されず長い一文として処理されるため途中で音声入力が止まってしまうとか、数々の不便は存在するものの音声認識自体の精度は非常に高く、多少手を入れるだけで十分にコンテンツに仕上げられるレベルであった。なお、一応音声データは残したものの今回はあえて聴き直すことはせずに記憶を頼りにした修正と各メンバーによる校正のみを行った。非常に高効率でもじもじする辛さは皆無。実に素晴らしい。

ということで、以下がアカデメイア社内で開催された「共有する価値観について話す会」の内容である。


「今日のお題は時間の話です。ウチではいつ休日にするかも含めて、いつ働いてもいいよと時間の束縛をしない働き方、勤務時間管理を一切しないってやり方をずっとしているけれども、それについて皆が一体どんな風に考えてるのかなーとか、時間について色々と思うことをみんなで語るっていうのをやってみたいと思う。Sさんどうですか?以前通勤無駄だ話してましたよね?」

S
「私ですか? 前職では通勤で片道1時間で往復2時間ぐらい時間を無駄にしてかなって感じていたんですけども、アカデメイアだったら完全リモートが最近は特に多いんでもその時間をまるまる何かに使える。まぁ、それはお仕事なのかそれともそれ以外のかっていうのはまたちょっと今回の別の話になるかもしれないんですけども(笑)ともかくそういう意味では通勤時間が無駄だなーという思いはすごいあった、っていうふうにお話ししたのが以前のお話だったかな」


「通勤時間の話は私もそう。前職では始業時間が確定していて、混んでる時間帯にわざわざ電車に乗って行くのってどうなんだろう?とは考えていたな。その間に何かやるっていってもスマホいじる程度しかできなくて、そんなん別に必要ねえじゃんと思っていた。だから起業したときに通勤なんて関係ない完全リモートにしたいなーっていうのはあって、それでも成り立つビジネスってどんなのがあるのかな?どうすればうまくいくのかな?というのはこれまでもこれからも考えていかなきゃいけないのだけれども。他に通勤経験者、芋さんはどうです?」


「朝会社に着いた時点で既に3割くらい体力使ってるような状態から始まるっていうのは結構つらかったですね。移動の疲れが残っていると帰りが遅くなるし、帰りが遅くなると翌日に響いてそれが解消できないっていう悪循環。会社に早く着いたところで早く帰っていいわけじゃないから結局毎日疲れが溜まるだけみたいな」


「結局会社に行くとなんだろうな…仕事するんですよね。前職では8時半に行って帰るのは21時22時当たり前だったから12時間とかそのくらい普通に労働してましたけど、今はできないですからね。そんな過重労働。それは年齢の話というよりもやることがないと思う。前職では、誰かにメールを送るであるとかやれるならやったほうがいい作業が無限にあったのだけど、この手のことって考える能力が枯渇していてもできちゃうんですよね。たとえるならマニ車を回し続けるとかモルモットのアレみたいな…。この手のエンドレスなものを用意しておくというのは、極限まで絞り出すことができるから、労働力を使う側からするとそこそこ意味のある手法なのかなって思わなくもないですが。Kさんはどうです?」

K
「働き方という意味では研究をしてた時に比べると今の仕事の方が作業的なものが多いんですけど、それだけに今はやることを整理しやすいっていうのはありますね。研究だと次何するかがふわっとしてる時が多いような気がします。今の仕事だとその意味ではわりかし明確だったりとかしてやりやすい部分はありますね」


「Nさんはどうです?アカデメイアの中で定時って言われるものを一番長く経験していた人としては」

N
「私は年代が上なので昔話っぽくなっちゃうんですけども、出勤して会社行って働きますっていうのは学校行く続きみたいな感じで当たり前のことだったんですよね。今みたいにリモートワークの選択肢はなかったし。そもそも自分が就職した時は高いからパソコンを持ってなかったし家にインターネットも引いていなかったから家で仕事なんかできない。パソコンを買ったのはあくまでもゲームやるとか趣味のためで、仕事のために自分用のパソコンを最初に購入したってわけではなかった。そうすると家にPCはあったけども会社の仕事は会社でやって終わりで家ではやらないみたいな切り分けができてた」


「切り分けはありますよね。通勤電車って無駄な時間ではあったけれどもその時間の間にオフに切り替えて家帰ったら1ミクロンも仕事のことは考えないみたいなのができた」

N
「今はリモートワークっていうかVPNとか使って普通にどこでも仕事ができるじゃないですか。技術的には前々職のときからあって、一時的に使うことはありましたけれども基本的には使わなかった。だからこれまでと今を比べると今の状態の方が自分にとってはまだイレギュラー感が強いので慣れないですよね。仕事のスイッチがなかなか入らない感じなのかな」


「家だと仕事ができないから喫茶店とかファミレスとか外に行くっていうのは、ある意味公の場じゃないんだけど、スイッチの切り替えみたいなのが根底にあるんじゃないかな。家で仕事をしても集中できないというか、ちょっとしたときに冷蔵庫にアイスコーヒーを取りに行くとか、コーヒーがなくなったから豆をゴリゴリして作るか…とかすぐできちゃうから」

N
「コロナじゃなかった時はLodgeとか外によく行ってましたね。もともと会社じゃないところで仕事をするという習慣を持ってなかったんで結構大変です。家だと納期だとか迫られるものがないと何かをやれない…」

Z
「ニュージェネレーション(?)な砂さんはどうですか?」


「なんだろう、習慣の違いの問題じゃないかなっていう感じ。家だとあんまり集中できないっていうのは僕もそうですね。なぜなのかっていうのは自分なりに自己分析したんですけど、振り返ってみると就職する前は勉強ばっかしてたんですよね。高校生の時は家ではなくて予備校の自習室、大学に入ってからは図書館とか数学科には自習室があったのでそれを利用していたんです。で、普通に図書館の閉館時間までずっと粘ってたり、自習室で終電までずっと勉強したり、どっかのセミナー室で勉強会をしたりとかっていうのを繰り返していた。外で勉強してたんで自宅は本当にもう風呂入って寝るという場所になっちゃいましたね。朝起きてまた大学行ってみたいな生活は院生になってからも変わってなくて、研究も演習室があったので終電間際までずっとやってました。だからアカデメイアに就職してリモートワークの環境で自宅で仕事するになると全然慣れなくて…去年なんかはあまりパフォーマンスを発揮できなかったかなっていう風に思います。何かやってみるとそれなりの作業はできるんですけど、前より集中力が落ちたのかなっていう気はしていますね。気分転換に喫茶店とかでなんかやってみると結構集中できたりするんでなんか家はやっぱりそのもう習慣づいちゃってんですよね。作業する場所とか何か勉強する場所っていう感じじゃない」


「鳥さんどうです?鳥さんは家がかなり棲家というか超絶カスタマイズされてる印象ですけど」


「自分の居心地のいい場所ですね。自分は誰かがいると集中できないんで…勝手に周りで動いてたりすると気になっちゃうから、家で誰もいない時間に仕事をするとかしてます。研究で実験していた時もそうで、なんか結構周りでガチャガチャガチャガチャ動いてたりすると集中できなかったんで、なんか最終的には夜中人がいない時間とかに自分のペースでやってたりしてました。入社して最初の頃にやった案件のときに、お客さんのオフィスに行って作業した方が能率が上がるんじゃないかみたいな話があったじゃないですか?実際行ってみたらコミュニケーションコストは減ったと思うんですけど、自分が進めてる速度は確実に遅くなるんでトレードオフかなーっていう感じでした。逐一確認が必要なああいう案件でなければ自分としては自宅でやるのが一番いいかなっていうのはあります」


「どういう時に一番パフォーマンスが発揮できるかって人によって結構違うから、会社としては各人でどう上手くお付き合いしていくか考えろや!と丸投げにならざるをえない…そこがいいのか悪いのか悩ましいところなんですよね」

Z
「どういう条件でパフォーマンス出るのかによって通勤は選択式にしてみたらどうですか? 通勤したい人は通勤していいよって」


「僕は通勤する選択をすると思う」


「なるほど」

Z
「最近よくちょくちょく駅オフィスとかあるじゃないですか?それをやってみるってのは。聞いている感じだと、鳥さんは会社に行くよりも効率上がりそう」


「ただルームがあるだけでしょ?わざわざ駅にいってやるくらいなら家の近くの喫茶店でいいじゃんと思うんだけど…あ、一人だから喫茶店だと会議費にできないのか」

Z
「一人じゃなかなか試せないような謎な場所を使ってみようというグループを社内に作ってもいいんじゃないかな?」


「カラオケのパセラがコワークやってましたよね。どこだっけな神田とか新宿とか複数の場所を使えるやつ。複数の場所を使えるって大事なんじゃない?」


「僕は嫌な環境じゃなければ全然集中できますね。喫茶店とか周りがちょっとうるさくてもイヤホンすれば集中できるし」


「山Pさんはどうです?どういう状況だと集中できます?」

山P
「最初は僕も家では集中ができなかったんですがコロナの影響でできるようになりましたね。緊急事態宣言で外で仕事がしづらくなって、どうすれば家での仕事が捗るのかいろいろ試してみたところ、仕事をはじめる集中のスイッチが入るかどうか、最初が山だなと気づいたんです。それで今はコーヒー飲んで腕時計してあと髪型もちゃんとセットして感じですね。自分が外部にいるような環境を作り出すとちょっと違う感じになるかなって。リラックスしてる状態から交感神経がい優位な状態、強制的にちょっと緊張してる状態に持って来れるかってところがキモですね。あと、僕は意外と電車の中で集中できるかな。ときどき打ち合わせで柏まで行くことがあるけど、電車に乗っている時が長いんでその中でPC開いて作業すると結構集中して作業ができたり。周りの目があるとかなんかプライベートではない何かがあると感じるんだよね」

N
「緊張感っていうのは確かに大事な気がします。在宅でやっていると緊張感がない。出勤していた時を振り返ると、緊張と弛緩とを環境によって切り替えられていたっていう点では良かった。ただ在宅勤務になってみると、そこは自分でコントロールしなきゃいけないってところが最初のハードルになるかなって感じですね」


「通勤と在宅の話からは変わりますが、うちは場所だけではなく1日8時間労働っていう労働時間の縛りも無視こいてるじゃないですか。もっと多くやる気になればできるし、気分が乗らなければ1時間でもいいし、全くやらない休日にしたっていいわけだから。なんていうのかな、あらゆる束縛から解放されている、時間的な束縛から解放されているっていうのはどうなのかなーって思わなくもない。この生活をしていたら、私は1日8時間働くことはできなくなったので…やれたとしても一日二回のフロー状態、3時間かける2の6時間くらいで切れちゃう。ほら変な話、ビジネスとしてはどうなのかなとか思って。そういうのはどうですか?」

N
「前職では集中力を要する仕事と不要な仕事の組み合わせて10時間くらいやっていたかな」

K
「集中力が不要な仕事って、例えば私がちょいちょいやってるあの郵便物ものとか?オフィスに来た手紙を転送するみたいな」


「そうそう、そういう作業。私が前職で一番やっていたのは研究者の人たちと会って話すことだったんだけど、一つ面談を入れるとあっという間に1時間経ってしまう。1日5人と会って話してお礼メール送って…とかやっているとそれだけで簡単に1日潰れる。面談って、相手に悪い印象持たれないようにとか、どうすればうまく伝わるかなとか、常に脳みそをフル回転させているのだけど、集中して何かをやるのとは使う脳みそが違うみたいな感じで、ともかく集中力がなくても座って話していれば勝手に時間は経つし仕事にはなるんですよね。でも今はこういう脳みそを使わなくてもできちゃう仕事の割合が減ったから、集中力の維持が最大の課題なんですよね。その辺どうでしょう?8時間労働が当たり前のNさんは、今8時間働けって言われて働けます?」

N
「無理(笑)」


「それって8時間もやることがないから?それとも8時間集中力を維持できないから?」

N
「振り返ってみると、確かに就業時間は8時間でしたけど、私の場合は会社に行って8時間以上机の前で集中してるわけではなかった。集中力のリミットが切れるたびに他の人に話しかけたり、なんか飲んでほっとしたかな。自分の会社結構なんですかね、部屋の脇にこうなんだろうリフレッシュスペースみたいなのがあって、そこ行ってお菓子ポリポリしてたりなんかそんな感じでもありました」


「それでも10時間会社にいたとして、リフレッシュ時間入れたとしてもリフレッシュ時間って2時間もやってないし、なんだかんだと8時間以上は働いてたんじゃないですかね?たとえば仕事していて「あー、もうあかん!」っておかしルームで15分お菓子食べるって…結構アレなときじゃないです?」

N
「仕事の中で多かったパターンは、空いてる時間にPCに向かう、他は打ち合わせとかでお客さんとこ行ったりとか。移動時間とかも結構あった気がします。決まったミーティングなりなんなりで時間割じゃないですけどもそれでうまくなんか組み合わせてって感じではないけども何か仕事っていうのが組み立てられてたような気がするな確か。それを作る時間は労働時間に入りますし。若い時はもうちょっとなんかPCに向かって集中してたような気はしますけどね。年数が経ってくると、どっちかっていうと誰かしらから話しかけられるケースが多かったんですよ。だから”どうしてました?”ってところから始まってその人の話で結局そこで時間が普通に消費されてくっていうのが多かったりしたので、なんかその決まった打ち合わせ以外でも自分が座ってるとそこにいろんな人が来るので話してる間に時間が経っちゃうとかそういうのが結構多かったかなっていうとこですね。会社入りたての頃はどっちかっていうと自分でもちろんやるのもありますけども、まあ先輩の所に行ってやり方が分からんとか先輩を道連れにして夜10時くらいまで残っているんだよね」


「芋さんはどうですか?最近朝に朝礼やってますけど、そういう決まった時間に何かみたいなのはあったほうがいいです?」


「意識を向けるっていう点では結構いい試みだと思います。平常時から状態を少し変化させるのはオンオフ切り替えのきっかけとしてはいいんですけど、自分の場合それだけでは足りないとも感じていて、普段と違う状況を作った上で、心も切り替えないとなかなかスイッチが入らない。そう考えると朝礼の儀式ってそこそこ効果があるんですよね。今のところまだ完全には制御できてなくて、仕事モードにすんなり入れる時と入れない時があるので、条件がもう少しハッキリすればより自分自身をハックできるんじゃないかな?と考えています」


「別に会社に行きたいとかそういうのは全然ないですが、今聞いてたようなルーチンっていうか儀式はやっていますね。私の場合は朝起きたらまず体操。シャワーを浴びて朝食とって席につく。なんか仕事前に軽いプライベートな対応があればここで片付けて、仕事を始めるときにはWindowsのデスクトップを仕事用に切り替えたあと、横にキンキンに冷えたドデカミンストロングを置いてカチカチ開けるところからスタートします。開けてもすぐ飲むわけじゃなくて、ここぞってときにちびちび飲んで行く感じなんですが、はじめにカチカチと開けるのも必ずやっていますね」


「切ったり起ち上げたりするのが面倒なので基本仕事のVMはずっと起ち上げっぱなしなんですけど、プライベートのブラウザもずっとつけっぱなしとかでデスクトップごっちゃになっててそれがスイッチ入らない原因かもしれないですね」


「いや、Windowsの機能でデスクトップ全体をカチッとシフトするだけなので楽ですよ。仕事用デスクトップに切り替えれば、直前にプライベートでみていたブラウザは裏で立ち上がったまま見えなくなるので。疲れてきたなっていう休みの時にカチッとプライベート用に戻して、で、また仕事って時に切り替える」


「私は自宅に会社専用のPCを買ったじゃないですか。プライベートでも使うPCにみんなの給料とか個人情報が入っているのはさすがに問題だろうということで。それでプライベート PCを立ち上げないで会社PCだけを立ち上げるようにすれば家でも集中できるようになるんじゃないか?と思ったんだけど、これが全然関係ないんだよなぁ。スイッチは入るんだけどちょっと行き詰まると復活ができない。たとえばコーヒー淹れてPCの前に戻っても集中力が戻らないんですよね。家だとフロー状態に一日1回しか入れない。散歩とか思い切って1時間位のインターバルをあけるといけるんですけどね」

Z
「家だと駄目だって思ってるからダメなんじゃないです? もう家じゃないみたいな感じにしてしまえばいいんじゃない。話を聞いていると景色が大事。皆さんそれぞれ仕事がしやすい景色があるっぽいなっていうのはある」


「最近、家にブースみたいな小さい作業スペースに作るみたいなのがあるじゃないですか。見た目には相当アホかなと思うんですけど、でもあれの方が集中できるっていう意見は聞きますよ。靴も履いて」


「私も部屋に集中用コーナー作ってみたんですが一時的には効果ありましたね。グリーンバックで周囲を囲ったりして余計なものが視界に入らないようにして。すぐ慣れちゃいましたけど」


「私、web会議の仮想背景用に机の周り緑色のクロマキーで囲ってあるんですが、肉眼でCG合成をするとかできたら慣れずに済むかもしれませんね(笑)」

Z
「それならVRアジト(注:オフィスをVRにしてしまおうという計画)のほうが現実的じゃないです?」


「やっぱりそこに行き着きますかー。でもまぁ、色々話を聞いてみて、会社でちゃんとお金を出してなにか探ってみたいなーとは思いました。とりあえず今回はこのくらいにしておきますか。今日話した内容をうまくブログネタにまとめられるなら、今度は違ったテーマで話す第2回を開催する可能性があるかもしれないしないかもしれない。そんなところです。ありがとうございました」