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投稿日:2021/06/01

社内初心者向けPython勉強会

社内外問わず、IT系のセミナーと言えば真っ先に候補に挙がるのがプログラミング関連である。
そのテンプレ(?)に従い、社内でもPythonを対象として基礎からのプログラミング勉強会を定期的に開催した。
テクニカルなトピックはネット上でも情報が飛び交っているので、詳細はスペシャリスト諸氏にお任せする。
本稿では勉強会スタイルそのものに焦点を当てて著者の所感を緩く綴る。

(1) 準備

開催に先立ち、教材となる書籍を選定するために、書店を訪問した。
人気絶頂のPythonだけあって目が眩むほど関連書籍がずらりと並ぶ。
プログラムは書いてみてなんぼというところが大きいので、とりあえず演習問題が多く盛り込んでいるものを選定した。
参加者にも入手してもらう。

(2) 勉強「会」を開催する意義とは

ソロで勉強することと比べて「会」にする利点はどんなところだろうか。
至極真っ当に考えると次のような理由が挙げられるだろう。
・講師役がいれば不明点を教えてもらえるし、他の参加者にも有効情報として伝達される。
・参加者同士がコードレビュー等を通じて様々なFBを得ることができる。
・決められた時間に集中的に取り組む環境が作られる。

勉強嫌いの著者からのオリジナル視点では、以下の要素もあるのではないかと感じている。
・「勉強」だとサボってやらないけど「勉強会」というと何となくハードルが下がる。
・参加者同志にライバル心が芽生えるとモチベーションアップに直結する。
・雑談が楽しく、それなりに意義がある。
・複数人の参加によって、難問に立ち向ったりチャレンジする意欲・勇気がわく。
・参加者同士の共感によって気分がスッキリする。
・無用な孤独感を味わうことがだいぶ軽減される。

(3) インプットとアウトプットのバランス

いわゆるラーニングピラミッドを全面的に支持するというわけではないが、アウトプットが全くない場合に学習効果が極めて薄いことは実際に体感している。
実際昨今のセミナーでは、一部を除き講師が一方的に話し、最後に質問を受け付けるというスタイルは希薄に感じる。
※一部というのは例えば参加者が多数だったり環境や運営の都合で、参加者の主体的な言動を促すスタイルが困難な場合である。
開催回のトピックによって割合は異なるが、インプットとアウトプットを交互に取り交ぜて進めていくのが望ましい。
そこそこ均等に参加者各々の言動が表れるような環境でないと、お互い脳が疲れてしまうのだ。
個人差はあるだろうが、プログラミング初学に近いメンバーが勉強会に参加する場合は未知事項が次々に出てくるので、それなりに脳内パワーを消費する。

(4) 時間の長さについて

結論としては、毎回2~3時間程度が限界だった。
業務都合はさておき、1回にどのくらいの時間を消費するかについては、参加者同士の合意がとても重要だ。
いわずもがな、短すぎれば大した進捗は得られないし、長すぎれば後半は疲弊して学習効果が全く期待できないからである。
また、適度なブレイクなり閑話を入れるなりすることはリラックス感を維持する上でとても意義のあることだと感じる。

(5) 遊び心の重要性

「遊んでないで勉強しなさい!」というお決まりのセリフは今もどこかの家庭で飛び交っていることだろう。
しかし、参加者が楽しさを感じる遊び心が全くない勉強会に誰が参加したがるのだろう。
そもそも嫌々参加する勉強会などになってしまったら、何かしらの理由をつけて次々と参加者が離脱していくことは明白だ。
別に毎回ギャグを入れろというわけではないが、進める中で自然に(笑)が出るくらいの状況の方が、何より会を継続する拠り所となるだろう。

(6) 計画や目標について

社会人ならずとも必ず出てくるのが何においても「計画」「目標」をきちんと立てろという格言だ。
しかし、そもそも何でもかんでも計画通りにコトが進む、目標が達成できるはずはなく、修正せざるを得ない場合はネガティブ要素が付きまとう。
特に軽視するわけではないが、世の中の風潮はまるでこの2つに支配されてしまっているかのような息苦しさを感じることが多い。
少なくとも勉強会ではどちらの設定も「無」か「緩め」で構わず、できれば御の字としましょうくらいがちょうど良いのではないかと思う。
できないものはできないし、これらの影響で変にプレッシャーのかかる勉強会などやらない方がマシだ。
過度に計画や目標に縛られると、プレッシャーを感じるようになる>楽しくなくなる>参加したくなくなる>参加者が来なくなる
という構図が完成する。
業務なら、真面目で自分に厳しい人物であるほどこれが原因で病んでしまうこともあるのだ。

(7) まとめ

簡単に言ってしまうと、硬すぎず、適度にリラックス感を保ちながら集中できる状況をうまくコーディネートができるか、そこに尽きるなと感じる。
理解し辛かったところを忘れたらまた復習すれば良いだけだ。
「確か前勉強会でやったな。なんだったかな・・・」くらいを思い出せればキーマンにきくなり、ググるなりで解決に繋がるだろう。